先日時間が出来たので友人に連絡したところ、急にその日の午後会うことになり、折角のお天気なので自然も楽しめるところ・・と考えた末、東京都現代美術館に行くことになりました。美術館に行く時は、大抵前もって展示内容に目を付けておくのですが、このような流れで行くこともあるのだなと、不思議な気持ちで会場に向かいました。
美術館では、ちょうど「カルティエ現代美術財団コレクション展」が開催されており、様々な国の現代作家によるインスタレーションや彫刻、絵画、写真、映像などの作品が数多く展示されていました。奇想天外なアイディアによる作品が多く、言わんとしていることを考えながら見て回るうちに、最後の方は少しくたびれました。特に映像は、目に入ってくる情報量が多いので、それだけでも絵画展などとは神経の使い方が違ってきますね。
今回、何と言っても印象的だったのが、ポスターにも使われているロン・ミュエクの「イン・ベッド」。年の頃60くらいの巨大な女性が、ベッドの中で肩を出してぼんやりしている作品なのですが、肌や髪、表情のあまりのリアルさに思わず鳥肌が立ちました。顔のサイズといい、からだ全体のバランスは現実離れしているのに、まさにそこにいるかのようなリアルさ!その得たいの知れない感覚に体が反応したのでしょう。
今回の展示作品を見て、他にも何度か鳥肌が立ったのですが、それはグロテスクで目を背けたくなるようなものや生理的に合わない作品でした。しかし、この女性だけはゾッとしつつも、もっと傍に寄って見てみたくなるような魅力があり、これぞ真の鳥肌!などと言いつつ感動していました。この展覧会、7月2日まで開催していますので、ご興味のある方は観に行ってみてください。この女性、なかなか凄みがありますよ!