先週までNHK-BSで「男はつらいよ」シリーズが放映されていましたね。実は今まで、「寅さん」にはそれほど興味を持っていなかったのですが、今回の放映を夕食時に何となく見るうちに、その独特の世界にぐいぐい引き込まれてしまいました。
「寅さん」は実に魅力的な人ですね。人情味があって、喧嘩っ早く、惚れやすい。その不器用な生き様が可笑しくもあり、じーんと心に沁みます。「葛飾柴又」の団子屋の皆さんもいいですね。あのお店にふらっと遊びに行けたらどんなに楽しいだろう!と思います。登場人物それぞれの言葉や仕草に、日本的な情緒が込められているからか、初めて見るのにいつも懐かしい気持ちになるのが不思議です。
その他、妹さくらとの兄妹愛や、美しく個性豊かなマドンナ達も魅力的ですが、私は何と言っても寅さんの一人芝居が好きです。「寅のアリア」というのだそうですね。マドンナとのことを想像し、団子屋の皆に情景描写を含めて聞かせるシーンなのですが、寅さんのちょっと暴走的な妄想が可笑しいし、渥美清さんの芸が冴えて本当に楽しいです。
先日で全48作のうちの24作が放映され、残りの半分は少し間を置いてからなのだそうですが、これでまだ半分というのに改めて驚かされます。次の放映は夏頃とのことですが、寅さんの世界にまた会いたいと、今から待ち遠しい気分です。