昨日は、The Music Center Japan創立35周年記念演奏会でモーツァルトのピアノ協奏曲第20番を弾かせていただきました。お忙しい中、お越しいただきました皆様には、心より御礼申し上げます!本番では、豊中文化芸術センター大ホールの素晴らしい音響とピアノ、そしてオーケストラの方々の素敵な演奏に支えられて、とても楽しく弾かせていただきました。
と、結果的にはこうなってホッとしているのですが、前日の初リハーサルの時は緊張してしまって、どうなることかとハラハラでした(笑)。思い返せば、ピアノ協奏曲を弾くのは5回目で、そのうちの4回がアマチュアオケとの共演でしたので、協奏曲を弾く感覚が掴めていなかったのですね。特にこのモーツァルトは、オーケストラとピアノが交互に出る感じがあって、とにかくピアノパートは小さな休みが多いのです。その休みの間にオーケストラのパートを聴いていると、次出る時はこの音だったっけ?とか、左はこの音でよかったっけ?とか、余計なことが頭をよぎって不安な状態に・・。この感覚は、ソロを弾いている時には全く無いのですね。
前日はそんな感じで、ちょくちょくミスはするし、カデンツァも思うように弾けず、あ~大変だー!と、大急ぎで実家に戻ったのでした。私が小6から使っていたヤマハのグランドピアノは昨年手放したので、今、実家には電子ピアノがあるだけなのですが、その電子ピアノに向かって細かいところを再確認。この電子ピアノ、今まで使うことがほぼ無かったのですが、まさか、こんな時に役立つとは!楽譜ももう一度じっくり確認し、夜中にも目が覚めたので電気をつけて楽譜を広げ、全ての入りの音や調性、曲の展開なども再確認しました。(こんなことは、本当に初めてです!)
翌朝も、起きたらすぐ電子ピアノに向かう状態(笑)。午前中は、歩いて行ける楽器店で練習室を1時間借りたのですが、そこにはWendl&Lungというウィーンのピアノがあって、これがなかなかいい音で、嬉しい出会いでした。(これから実家に帰った時は、このピアノに会いに行きます♪)そして、ここで練習する頃には、大分頭の中で曲が整理された感じがしました。
そして、午後の舞台上でのリハーサルでは、前日よりずいぶんマシな感じに。オーケストラの方々とも慣れて、指揮者がいなくても問題なく合うようになりました。そして、夜からの本番ですが、出ていく前は、やはり緊張しましたし、オーケストラの長い前奏が始まってからもドキドキしてきて、舞台の上でこんなに心拍数が上がるなんて初めて・・・と思いながら聴いていました。ですが、自分が弾き始めたら落ち着いてきて、暗譜もしっかり確認したことで自信が持てて、本番はとても楽しんで弾けました。結果的には、前日の焦りがあってよかった!本当に、ギリギリ間に合った感じです(笑)。
今回は、4日前に東京でリサイタルをして、半年前に譜読みを始めた協奏曲を演奏したわけですが、こんなことが出来るようになったのだな~、若い頃には絶対に出来なかっただろうな~と、しみじみ思っています。そして、憧れの協奏曲を弾けた喜びや、大きな舞台上で間近で聴いたオーケストラの響きが、今、甦ってきています。特に2楽章では、豊かな響きと美しい音楽に包まれて、幸せいっぱいな気持ちになりました。
という感じで、今年のコンサートではいろいろな経験が出来て、全て無事終えられてホッとしています。9月10月は特によく練習しましたので、これでやっとリラックスです。私にしては高いハードルを設定してがんばりましたので、今は、遊びたい~!の気持ちが湧きあがっています(笑)。まずは、友人たちとお喋りしまくりたいし、美術館にも行きたい、きれいな景色も見たい・・・、いろいろとリフレッシュしたら、また気持ちを新たにピアノに向き合いたいと思っています♪