先週末は、西多摩にある耕心館での第117回目のサロンコンサートシリーズに出演させていただきました。お忙しい中お越しいただきました皆様には、心より御礼申し上げます!このシリーズに出演させていただくのは今回で5度目になりますが、会場の落ち着いた雰囲気と熱心なお客様の様子はいつもと変わらず、大変幸せな気持ちで音楽に向き合えた夜となりました。
耕心館のコンサートシリーズは、今年で10周年を迎えたようで、私も今年はデビューから10年目ですので感慨深いものがありました。このシリーズを初回から企画・運営されている牟田久寿さんは、ご自身も音楽家でいらっしゃるのですが、出演者選びから交渉まで全てなさっていて、しかもご自身は無償でされているということで(!)、本当にすごい方だなと思います。とにかくご自身が納得のいく演奏者を連れてくるとのことで、プログラムは全て演奏者に任せ、演奏者は集客の心配なく演奏に専念できるといったところも、出演者にとっては有難いです。
牟田さんを拝見していると、私が留学中にお世話になったベルギーの美しい街でのコンサートを思い出します。そこのコンサートシリーズを企画・運営されている90歳を超える方も、様々な所に足を運んでは気に入った演奏者を連れてきて、地元の人達を毎月楽しませていました。地元の人は、どんなコンサートかは分からずとも決まった曜日にはホールに足を運び、社交とともに様々な音楽を楽しむのですね。ヨーロッパでは、このようなコンサートは珍しくありませんが、日本ではまだそれほど見られないのが残念です。やはり牟田さんのような、耳と、音楽の心、情熱を兼ね備えた方は多くはいらっしゃらないのかもしれませんね。けれども、牟田さんと同様の精神を持つ方が今後沢山現れて、演奏者と聴衆をともに育てていってくれることを願ってやみません。
話は変わって、来月3日の王子ホールでのリサイタルですが、少しずつ迫ってまいりました。今は耕心館でのリサイタルの時に感じた課題に向き合いつつ、練習に励んでいます。当日お越しくださるお客様からのメッセージも沢山届いておりまして、皆様に有意義な夜を過ごしていただきたいという気持ちが高まってきております。まだお席に余裕がございますので、お時間がおありの方は、是非聴きにいらしてくださいね♪ご来場を心よりお待ちしております!