早いもので、もう年末ですね。そして、今日はクリスマス・イヴですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。私はと言えば、現在教えているミュージックアカデミーのある「ららぽーと豊洲」で11月末からクリスマス・ソングを聞き続けているため、もうクリスマスはおなかいっぱい、という感じです(笑)。
さて、このアカデミーにはオルガンとチェンバロのクラスがあるのですが、最近は、それぞれの先生の空き時間にレッスンをしてもらっています。ピアノと同じ鍵盤楽器とはいえ、きちんと触るのは、ほぼ初めて。バッハの時代にピアノは存在しなかったわけですが、ピアノとあまりにも違うチェンバロやオルガンの感触を確かめながら、バッハはこの楽器で作曲していたのだと改めて新鮮な驚きとともに感じています。
チェンバロとオルガンは全く違う構造をしていますが、共通して言えるのは、タッチによる音色・強弱の変化が無いに等しい、ということ。そこで、いかに音楽に表情を付けられるかということが問題になってくるのですが、それぞれの奏法には、テンポの作り方、間の取り方、指使いなどに様々な工夫が見られて、非常に面白いです。逆に考えれば、ピアノという楽器はタッチによって音色・強弱が様々に変化するということを再認識します。ピアノの演奏は、タッチの種類と組み合わせで、いかに表情を豊かに出せるかということが重要になってくるのでしょうね。
シューマンは、「ピアノを学ぶ人は必ずオルガンを弾いた方がいい」という言葉を残しているのだとか。オルガンは、鍵盤から指を離して音を切る瞬間が最も大切で腕の見せ所なのであり、ピアノは鍵盤を押して音を出す瞬間が命なので、その両方が出来れば完璧、ということなのでしょうね。シューマンの言葉の意味が分かるような気がします。
先ほどお話した「ららぽーと豊洲」の2Fには、19世紀にイギリスで製作された大きなパイプオルガンがあり、毎日2,3回の演奏タイムがあるのですが、ナントそのパイプオルガンを来月弾くことになりました!オルガンデビューの日は1月13日(土)、3回演奏の予定です。まだペダルがほとんど使えず、両手のみの演奏になりますが、ヘンデルの作品をはじめ、18世紀に作られた曲をいくつか弾きますので、よろしければぶらりと遊びにいらしてくださいね。いつかここで、バッハの「トッカータとフーガ ニ短調」を弾くのが夢です。足が自由に使えるまでには、相当練習を積まなくてはいけませんが・・・。