昨日、家のピアノの調律をしました。以前弦が断線した辺りの音が下がってきていて、ずっと気になっていたのですが、いつもの調律師の方がお忙しくてなかなかつかまらず、ようやく昨日来ていただくことが出来ました。
この方は、音程を合わせるだけでなく、整調、整音などのメカニックの面もチェックした上で、ピアノが喜ぶようないい音を作ってくださいます。また、作業後にピアノにまつわるいろいろなお話をしてくださるのも、私の楽しみの一つです。ピアノの構造をはじめ、各国の音楽事情、楽器メーカー、アルゲリッチ、アシュケナージといったピアニスト達との仕事のお話に興味は尽きず、いつもついお引止めしてしまいます。
ピアノの構造のお話を伺う度に、この楽器の複雑さには感心します。今回、鍵盤の深さのお話がありましたが、冬場、鍵盤は深くなり、逆に夏場は浅くなるのだとか。これは、鍵盤の下に敷いてある羊毛のパッドの湿度による膨張や収縮に関わることのようです。鍵盤の深さの微妙な違いには、毎日弾いているので気が付かないのですが、このようなお話を聞くと、つくづくピアノは生き物なのだと思います。
パッドによって一つ一つ膨張や収縮の仕方が違うので、鍵盤の深さにもバラつきが生じてくるのだとか。パッド一つとっても、こうなのですから、メンテナンスされていないピアノはタッチにバラつきがあって、弾きにくいわけですね。家のピアノは今、バサバサの髪をきれいに切り揃えてもらったように、すっきりしました。これでまた、気持ちよくピアノに向かえそうです!