お正月に伊豆の修善寺にある温泉宿に出かけました。行きの車の中で、お正月のことでもあるし宿の人にお心づけを渡した方がと、コンビニで小さなお祝儀袋を買い、店員さんに換えてもらった新札を入れて、これで一先ず安心と宿に向かいました。
到着すると、前のお客様のチェックインのために待合室で長く待たされたので不思議だったのですが、いざ自分達の番が来てみて、その謎が解けました。この宿では、初めに受付で全ての説明を受け、精算も済ませて(持ち込み自由とのことで冷蔵庫の中はもともと空でした)、チェックアウトの際には鍵だけ返すというシステムだったのです。
部屋に荷物を運ぶのも自分達だったので、残念ながら、用意したお心づけを渡すチャンスも無くなってしまいました。これが今流行の「ほったらかしの宿」であり、ホテル式の旅館なのですね。昭和初期の名旅館を改装したというだけあって建物は美しいし、小ぎれいなお部屋やお食事などから「おもてなしの心」を感じることは出来たのですが、それでも何か物足りない気分が残りました。
「おもてなし」というのは難しいものですね。「ほったらかし」も、宿の人たちの気遣いなのだろうし、お客側としても有難いことは多いのですが、簡単な会話などから「おもてなしの心」を感じ、お客もそれに対して感謝を伝えるということは、やはり省略したくないことのように感じました。