今回のリサイタルでは、ショパンが愛したピアノの“プレイエル”を会場に持ち込むことになり、オール・ショパンプログラムにすることはすぐに決めたのですが、最終的な選曲が決まるまでには随分時間がかかりました。
ちょうど4年前にもオール・ショパンのリサイタルをしましたが、ショパンの作品だけでプログラムを組むのは、やはり難しいですね。と言いますのは、ピアノソナタを入れない限り、1曲が小品で2、3分、少し規模の大きな曲でも10分強という比較的短い時間ですので、多くの曲を組み合わせる必要があり、選択肢もその分増えるわけですから・・・。
今回は皆様にショパンの世界を堪能していただきたいと思い、一般に人気のある曲もいくつか入れることにしましたが、あれもこれもと思うとプログラムのバランスは悪くなるものですね。ちなみに、今回の人気曲の候補は次のとおりです。ノクターン第2番、ワルツ第1番「華麗なる大円舞曲」、子犬のワルツ、バラード第1番、別れの曲、革命・・・。(結局、これらの曲は本編には入れませんでしたが、いくつかをアンコールにと思っていますので、ご期待ください!)
プログラム作りは、よくコース料理に例えられますが、お料理でもメインになる食材が立て続けに出てくると、最終的に何を食べたのか分からなくなりますよね。音楽も同じで、上に挙げた曲を全て弾いたとしたら、印象が分散してしまうのだと思います。というわけで、今回は私なりに考えて、ショパンの作品の様々な表情を楽しんでいただけるようプログラムを組みました。プレイエルの音色が生きる華やかな曲と、私の幼い頃からの憧れであった「幻想即興曲」、そして、ショパンの魂の表れであるマズルカには、深い内容を持つ「作品59」を選んだのも今回の選曲のポイントです。
おかげ様をもちまして、この度のリサイタルのチケットは完売いたしました!いつも応援してくださっている皆様はじめ、この企画に興味を持っていただき、チケットを購入してくださった方々には、心より御礼申し上げます!当日は、皆様に楽しんでいただけるよう精一杯頑張って演奏したいと思っていますので、よろしくお願いいたします!!