先日、NHK-BSで「ヒット商品を生む音 音響デザインの最先端」というフランスの番組を見ました。音響デザインとは、車のドアを閉めた時の音や、化粧品の蓋を閉めた時の音、シリアルのクリスピーな音や、パソコンのメールの着信音など、「音」をデザインする仕事のことであり、その商品の機能や目的をはっきりさせるために音で演出することなのだそうです。
人は、車のドアの閉まる音から車の安全性や高級感を感じ、口紅の蓋のカチッと閉まる音を聞いてバックに入れても安心だと思う。シリアルを食べた時は、その音から新鮮さや美味しさを感じる、などという話は、普段は意識していないけれど、なるほどと思うことばかりでした。
商品が作られる時は、「音」の効果について、これほどまでに考えられているのですね。録音した音を流すのでない場合が多いので、商品の機能とデザインした音の両方を実現させるのは、さぞかし大変だろうと思います。
同時に、人は音を聞いて、無意識にあれこれ心を動かすものだということを改めて思いました。何気ない音にも、これだけ反応しているのだから、様々な音が変化する音楽を聴く時、人はどれほど無意識の部分を働かせているのだろうと、ふと考えました。