16日のリサイタルの前に、会場の津田ホールでピアノ選びが出来るということで、先日行ってきました。ホールにはスタインウェイが2台あり、倉庫の中で15分間弾いて選ぶことができます。本当は実際にホールの中で響きを確認するのがベストですが、前もって弾いて選べるだけでも、有難いことです!
この2台は、それぞれ十数年前に購入されたもので、一度オーバーホール(ピアノを分解し、弦やハンマーなどの部品を交換して再度組み立て直すこと)を行っているのだそうです。2台の購入時期は3年ズレているそうなのですが、その間にスタインウェイの方針がガラリと変わったらしく、たった3年の違いとは思えないくらい、2台のピアノはそれぞれに特徴がありました。
1台目(古い方)は鍵盤が象牙なのですが、2台目(新しい方)はファインアイボリーと言われる人工象牙の鍵盤で、やはり弾き心地は、本物の象牙の方が手に馴染みます。ただ、1台目は少しコントロールしづらい印象を受けたので、第一印象としては、音色に華やかさと、まろやかさのある2台目の方が良かったです。
ただ、いろいろと曲を弾いていると、1台目の方は思いがけない音色やニュアンスが出るなどの味わい深さがあり、捨て難い気もしました。少し考えた末、1台目は予測不能な怖さもあるので、結局第一印象を信じて2台目にしました。ホールの人に感想を述べると、大体皆同じようなことを言うのだとか。どちらを選ぶ人が多いかと言えば、ほぼ同じなのだそうです。1台目のファンもいるとのことで、何となく分かる気がしました。
とにかく、2台とも魅力のあるピアノで、メンテナンスもしっかりしていて、さすが津田ホール!と思いました。今は音色のイメージが出来たので、それを想像しながら、本番に向けて最後の準備をしているところです!