この度予定しているサロンコンサートは、急に思い立って企画したもので、曲目もほぼ1日で決めてしまったものなのですが、最近、あることに気付きました。それは、最初と最後がハ長調の曲、ということです。これは、特に意図したわけではないのですが、きっと今の私の気分の表れなのかな、と思ったりします。
思い返せば、昨年のリサイタルの最初のモーツァルトのソナタもハ長調でした。ハ長調の曲、これはドを主音にしたドレミファソラシドの音階で出来た曲ですが、そこにはシャープもフラットもありません。この、何の装飾もなく肩の力が抜けて素直な感じが、結構好きです♪特に、今のような複雑な世の中では、自然にそのようなものを求めているのかも知れないですね。
ハ長調、と聞いてすぐに思い浮かぶのが、ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」の4楽章。あの3楽章のハ短調から4楽章のハ長調に向かうところが、たまらなく好きです。4楽章の最後の、これでもか、というほどのドミソの和音の連続は、友人は押しつけがましくて苦手と言っていますが、私は全然OK、むしろちょうど必要な回数でしょ!と思っています(笑)。
ハ長調やト長調などの調性は全部で24個ありますが、それぞれに少しずつ性格が違うように感じます。そこで改めて、一番好きな調性は・・・と考えてみると、シャープ系よりはフラット系、フラット4つの変イ長調、というところでしょうか。すぐに浮かぶ曲といえば、ベートーヴェンのピアノソナタ「悲愴」の第2楽章、ショパンの練習曲op.10-10、op.25-1「エオリアンハープ」、バラード第3番など・・・。変イ長調はラのフラットを主音とした音階ですが、私の中では優雅で温かくて、少し落ち着きと深みのあるイメージです。
今回のプログラムの曲に変イ長調はなかったかな?と見てみたら、ありました!メンデルスゾーンの無言歌より「デュエット」。この曲は無言歌全49曲の中で、一番好きな曲です。(でも技術的にとても難しい!)こうして書いていて気付きましたが、私はプログラムを作るときに、あまり細かく調性を考えていないのだなあ、と。いつもかなり感覚的に決めています(笑)。一応、長調や短調、曲の前後で主音の繋がりなどは考えていますが、人によってはもっと綿密に調性を意識してプログラムを組むのでしょうね・・。
今度のコンサート、東京のお客様にはご案内をお送りしていますが、11:30開演の方が人気のようです。お昼間だと、表参道のケヤキ並木の新緑も楽しんでいただけそうですね。きっと夜の表参道も素敵だと思いますので、19:00開演にも是非!今回は、しばらくぶりにお越しいただける方々もいらっしゃって、再会が楽しみです。皆様のご来場を心よりお待ちしております!コンサートの詳細は、こちらから。関西の方々には、もうすぐご案内を発送させていただきますね♪