CD制作も、いよいよ終盤を迎えております!今は主に、ジャケットの中の原稿チェックやデザインの確認作業をしているところです。肝心の音の編集は、全て終了しました。今回、録音・編集を行う中で、音について様々な発見がありましたので、今日はそれについて書いてみたいと思います。
まず最初に驚いたのが、3日間のレコーディングでは、日によって音質が結構違っていたことです。(と言っても、繋いだ時に不自然になるほどではないのですが。)また、時間ごとのピアノの状態の変化や調律によって、ここまで音質が変わるのかとビックリしました。実際に弾いている時は気付かないのですが、録音を冷静に聴いてみると、その違いは明らかでした。
編集時には、スタジオで4種類のスピーカー(イギリス、アメリカ製)を使って、順に聴かせてもらったのですが、やはりスピーカーによって音質はかなり変わるものですね!それは、上に書いたような録音日による音の違いの程度を大きく超えるもので、聴く環境によって、同じCDでも全く違う印象になるということが分かりました。
また、編集は全てデジタルテープで行っていたのですが、それを最後にCDにダビングしただけでも、音質は微妙に変わります。普通はほとんど気付かないような違いでも、何度も音を確認する中では耳が過敏になり、僅かの違いも大きく感じるようになってしまいました(苦笑)。そして最後には、出来るだけ初めの編集時に聴いていた音質が残るよう、祈るような気持ちになりました。
その他、曲と曲との間を、全く純粋な無音にするのか、それとも会場がもともと持っている音(無音に近いですが)を入れるのか、という選択肢があったのですが、これも、今まで全く考えたこともなかった世界ですね。結局、「子供の情景」などの組曲中の曲間は会場の音、全く別の曲に変わる時には、純粋な無音にしました。
という感じで、「音」に対して、ますます興味が広がりつつあるこの頃です。演奏時に一番大切なことは、作品から作曲家の心情を引き出したり、それを表現して伝えたり・・・ということですが、音楽が「音」を扱うものである以上、「音」に対する知識や自分なりの考え、感性をもっと深めていきたいと思うようになりました。今回のCD制作は、そのいいきっかけになったような気がしています。