今週の木曜日は、ムジカーザでのコンサートに出演します。これは、若手演奏家のネットワークである“ミューゼシード”の企画するコンサートシリーズで、毎回、音楽監督の飛鷹さんがテーマを決めて、トークを交えながら様々な楽器による作品を紹介しています。今回のテーマはドビュッシー、それも、第一次大戦前に作曲された晩年の作品群です。
今回私が演奏するのは、前奏曲の第2集。ドビュッシーの前奏曲には第1集と第2集がありますが、いずれもドビュッシーのピアノ曲の集大成と言われています。この作品集に特徴的なのが、題名の付け方です。第1、2集合わせて24曲から成るこの前奏曲集には、それぞれに題名が付けられていますが、普通は曲の冒頭にあるはずの題名が、曲の最後にカッコ付で書いてあります。これはきっと、ドビュッシーが題名に捉われることなく、響きによるイメージを自由に膨らませながら作曲し、弾き手や聴き手にも、同じことを望んでいたためではないかと思われます。
今回私は、第2集の中から気に入っている6曲-ドビュッシーの繊細な響きによる「霧」、「月の光がふりそそぐテラス」、当時流行ったエキゾチズムの表れた「ヴィーノの門」、コミカルで楽しい「風変わりなラヴィーヌ将軍」、優しい表情の「ヒースの茂る荒地」、そして、色彩豊かで大胆な表現による「花火」を選びました。中でも最後の「花火」は聴き応えのある曲で、曲の終わりには遠くからフランス国歌が流れて、お祭りの後の余韻まで楽しめるようになっています。
ムジカーザは、こぢんまりしていて、モダンな感じのコンサート会場。真夏の夜空の花火もいいものですが、ムジカーザで聴くドビュッシーの「花火」もなかなか面白いと思いますので、お時間がおありの方は、是非聴きにいらしてくださいね!詳細はScheduleからご覧ください。