先日のコンサートにお越しいただきました皆様には、お寒い中、本当にありがとうございました。今年発売したCD&レコード発売記念のコンサートでしたが、CD制作に関わってくださった方々にもお集まりいただいて、ご協力いただいたすべての方への感謝も込めながら、演奏させていただきました。
前半は、素晴らしいスピーカーとアンプ、レコードプレーヤーの持ち込みにご協力いただきましたオーディオ評論家の潮晴男さんの進行により、まずフューレンコーディネートの北村さんに機材について説明いただき、レコードと生演奏を交互にお聴きいただく企画が始まりました。1000万円もの装置で自分のレコードを聴かせていただけて、その音の素晴らしさに感動♡ レコードと同じ曲を演奏させていただきましたが、やはり生演奏にはその時々の即興性が加わるので、そんな面白さも感じていただけたのではないかと思います。
途中で、今回の制作にご協力いただいた調律の加藤さん、レコーディングと編集の北見さん、レコードカッティングの田林さんにもご登場いただいて、お話を伺いました。皆様には制作過程をご理解いただくとともに、技術者の方々のお人柄にも触れていただき、今回のCDやレコードをより身近に感じていただけたように思っています♪
後半は、ベヒシュタインのフルコンサートサイズのピアノで、ロマン派の偉人ショパン、シューマン、リストの名曲をゆっくりお聴きいただく企画でしたが、多くの方がベヒシュタインの音色を楽しんでくださったようで、よかったです!音楽のお好きな方々ばかりの空間は独特で、こちらにもすごい集中が伝わってきました。シューマンの「予言の鳥」を弾き終えて立ち上がった時の空気が、もう別世界のようで、思わず、えっ?と皆様にお聞きしてしまいました(笑)。そのせいか、次のラ・カンパネラでは、なんだか調子がおかしく、まさかの弾き直し(汗)。その後も集中しきれないまま弾き終えて、それまでが、わりといい感じで弾けていただけに残念無念(涙)。。。
今年は尊敬するフジコ・ヘミングさんが亡くなった年で、その追悼の気持ちもあって、最後にフジコさんお得意の「ラ・カンパネラ」を弾くことにしたのですが、フジコさんが「間違えたっていいじゃない、機械じゃあるまいし」をそのまま地で行ってしまいました(笑)。その後よくよく考えたのですが、「ラ・カンパネラ」は、練習では弾けるのに、どうも本番ではアクシデントが起こりやすい曲のようです。うまくいった時のお客様の反応がすごくいいので、知名度があってお客様が喜んでくださる曲、としてプログラムに入れることがありましたが、今回改めて、本当に自分が心の底から弾きたい曲かというと、そうでもないことに気付きました。
今回、天国の尊敬するフジコ・ヘミングさんのために弾きたい、と思って臨みましたが、そんなフジコさんから「あなたには、あなたの『カンパネラ』になる曲を見つけなさい」と言われた気がしました。うまくいかないことがあると悔しくて、また挑戦・・という気持ちでトライして、一時は克服したようにも思いましたが、これからは「ラ・カンパネラ」への執着は手放して、本当に自分にしっくりくる曲を見つけて、それを深めていきたい、という気持ちを強くしています。そんな大切なことに気付かせてくれた、私にとって2024年最後の思い出深いコンサートになりました♪