ここ2週間ほどは、暗譜と格闘する日々でした。来月、再来月のコンサートには、プログラムを決めるのに時間がかかった上に、新しい曲を沢山入れたので、大急ぎの暗譜となりました。通常、時間がある時は、自然に体が覚えてから楽譜を離していくのですが、今回のように時間がない場合、暗譜は譜読みとほぼ同時進行です。
今回思いがけず難しかったのが、メンデルスゾーンの無言歌。有名な「春の歌」などは、簡単そうに聴こえるのに、単純な伴奏形の繰り返しが結構覚えにくかったです。その他、同じメロディーが再び表れても、回を重ねる度に微妙に変化するので、気を付けないと一瞬どっち?と迷ってしまいます。
このような微妙な変化には、聴き手がほとんど気付かない程度のものも多いので、まったく演奏家泣かせだと思うのですが、作曲家は全く同じだとつまらないと思うのでしょうね。ショパンの作品にもこの種のものが多くみられます。昨年リサイタルで弾いたムソルグスキー「展覧会の絵」もそう。ちなみに、同じリサイタルで弾いたグリーグの「叙情小曲集」にも繰り返しが多いのですが、2度目以降も全く同じ形で出てくるので、なんて有難い!と思ったものです。
今は、ようやくコンサートの曲目を一通り暗譜して一心地つきましたが、暗譜のことなど気にせず伸び伸び弾けて初めていい演奏ができるというもの。その域に達するまで、これから頑張って弾きこみたいと思います。