ホンダ、BMWで車販売のトップセールスとして活躍後、BMW社長を経て、現在ダイエー代表取締役会長兼CEOを務める林文子さんの著書を読みました。ここには、文学や歌舞伎好きでお転婆だった少女時代のことや、憧れのOLになったものの満たされない日々を送ったこと、そして、転職後の仕事に打ち込んだ人生と、そこから得た独自の哲学などが綴られていました。
転職して車の販売員となった時、車を売ることより人と接することを何よりも楽しみ、その中で気付くことを実践するうちに、車がどんどん売れてトップセールスマンとなった話は、非常に爽快でした。また、どんなにつらい時も、我慢と負けん気、仕事への情熱を持ち続けたことが、今のキャリアにつながったことが分かりました。
興味深かったのは、お客様から激怒された時、ある種の友情みたいな感情が湧いてきて、何とか怒りを鎮めてさしあげたいという気持ちになるのだそうです。この言葉から、本当に人が好きで信じていたからこそ、周りの人達からも好かれ、多くの信頼を得てきたのだと思いました。
そして、何より印象的だったのは、キャリアを積み上げるにあたって、女性らしい心配りと優しさを最大限に活かしてこられたからなのか、大企業のトップとなった今も、物腰が柔らかで、全てのものに深い愛情を注いでおられることです。その姿勢は本当に美しく、心から素敵な女性だと思いました。