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秋のリサイタル「その3 ショパン」

2022年9月22日 By osawa miho | ブログ

今日は、ショパンについて書きますね。ショパンの音楽は、何といっても優雅で繊細なところが好きです。そして、ちょっと突き抜けたような激しさがあるところも好き。ショパンは、作品のほとんどをピアノのために書いた作曲家ですが、もしピアノ曲にショパンの作品が無かったら、とても寂しいものになっていたでしょうね。ショパンがいてくれて、本当によかった!

 

ショパンといって、まず思い浮かぶのが、ポーランドへの愛国心です。ショパンはポーランドの民族舞踊であるマズルカやポロネーズを生涯にわたって作曲しましたが、心にはいつも、当時ロシアに支配されていたポーランドの国や人々のことがあったのでしょうね。ショパンがポーランドにいた10代の頃は、芸術家や知識人たちが集うカフェによく出入りし、芸術の話だけでなく、ロシアの支配に対する議論も白熱させていたようです。そこには、蜂起の指導者などもいたようですね。

 

ショパンがフランスに移り住んで、24歳の時に、ロシア皇帝からフランスにいるポーランド人達に対して通達がありました。内容は、旅券延長手続きのためにロシア大使館に出頭すること、もし怠った場合は政治亡命者として認定する、というもの。ショパンの父は手紙で、ロシア大使館に行って手続きするよう懇願しますが、ショパンは決してそれをせず、二度と祖国の地を踏めなくなるのを承知で、亡命者の道を選択したようです。ショパンの強い覚悟と、誇り高さが窺えますね。

 

ショパンといえば、ジョルジュ・サンドという女流作家の存在も重要です。ショパンは27歳の時に33歳のサンドと出会い、28歳で交際を始めますが、それまでのショパンはわりと堅実で、好きになった女性も才能豊かで素直なタイプの感じがしますが、よくサンドのような型破りな女性と恋愛したな~と、感心します。しかも、当時サンドには15歳の息子と10歳の娘がおり、その子達も連れてスペインのマヨルカ島へ逃避行したのですから、スキャンダル回避とはいえ、大胆ですね!マヨルカ島では、結核を悪化させて大変な思いもしますが、その頃からのショパンの作品は、革新的なものが多くなります。また、毎年春から晩秋にかけては、ノアン(フランス中部の村)にあるサンドの邸宅で過ごしましたが、そこで多くの傑作を生み出しています。やはりショパンには、サンドのような強烈な個性を持つ女性が必要だったのでしょうね。

 

それでも、もともと性格が違い過ぎたためか、次第に二人の関係はぎくしゃくしてきて、交際9年目には、サンドの子どもの結婚騒動にショパンも巻き込まれ、サンドとの溝が深まります。祖国ポーランドで温かい家庭に育ったショパンは、きっと幸せな家庭に憧れていたかと思いますが、サンドと出会っていきなり思春期の子達の親のようになり、自分の病気以外にも、沢山苦労をすることになったのですね。サンドの深い愛情に触れた9年間は、充実した素晴らしいものであったと思いますが、徐々に孤独を深めていった様子は痛々しく、作品にも反映しているように感じられます。

 

ショパンといえば、繊細、と初めに書きましたが、亡くなる前年のエピソードが印象的です。サンドと別れてから、スコットランドへ演奏旅行に出かけますが、無理がたたって健康を悪化させ、パリに帰ることになります。その際にパリの友人へ送った手紙は、こんな感じです。「金曜日、すみれの花を買うように言っておいてくれ。居間に香りがあるように。家に帰った時ぐらい、ちょっと詩的な気分が欲しいのだ。居間を通って寝室に行くのだから。これから長い間寝付くことになるのは分かっているのだから・・。」ショパンの繊細な一面が表れていて、やっぱりショパンっていいな!と思いますし、晩年は可哀想だったな・・・としみじみ思います。

 

今回のリサイタルでは、後半の初めに4曲の小品を弾く予定ですが、ここで皆様には肩の力を抜いて楽しんでいただければと思っています。映画「戦場のピアニスト」でも印象的な、若いショパンの悲痛な思いによるノクターンと、サンドとの関係が破局に向かっていた頃のワルツ3曲です。第6番の「小犬のワルツ」は軽やかで楽しい曲、第7番はショパンの憂鬱とポーランドへの郷愁の表れた曲、そして第8番は明るく優雅な大人の雰囲気ですが、一番最後に作曲したワルツがこの曲で、何だか救われるような気がしています。初めて弾いた小学生の頃は良さがよく分かりませんでしたが、今ではこの第8番は、味のある素敵な曲だと感じています♪

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