リサイタルの関西公演が、いよいよあさってになりました。今は大阪の実家で気持ちをリラックスさせながら、最終調整をしているところです。ここまで日が迫ってくると、焦って練習しても実力が変わるものでもないので、体を休めたり、曲へのイメージを膨らませたりすることを心がけています。
その中で今、プログラムの最終曲に関わるダンテの「神曲」をざっと読み返したりしています。「神曲」は、14世紀にイタリアの詩人ダンテによって書かれた叙事詩で、ダンテ自身が地獄、煉獄、天国を旅するという話なのですが、日本語訳では漫画や挿絵入りの分かり易い本から文語体の格式あるものまで色々あって面白いです。特に、児童用の本にある19世紀に活躍したフランスの版画家ドレの挿絵は素晴らしく、凄惨な地獄の風景が美しく描かれていて、リストの音楽のイメージに自然に重なってきます。
毎回そうなのですが、今回のリサイタルで取り上げたどの作品からも、作曲家それぞれの全く異なる心の世界を見ることが出来て、人間の心の自由なあり方を示す芸術の素晴らしさを感じています。リサイタル当日は、この芸術の秋に、皆様に有意義な時間を過ごしていただけるよう、精一杯演奏させていただきたいと思っています!
それでは、あさっての25日(水)pm7:00.より、兵庫県立芸術文化センター小ホールにて演奏しますので、関西にいらっしゃる方は、ぜひ聴きにいらしてくださいね!(当日券もございます。)皆様のご来場を心よりお待ちいたしております!!