現在公開中の、画家フィンセント・ファン・ゴッホを描いた映画を観に行きました。昔から伝記映画は大好きで、しかも、芸術家の映画となると、もう観ないわけにはいきません!(笑)私の中でゴッホは、まさに芸術家の中の芸術家。精神を病んでいた故の特異なエピソードはありますが、きっと芸術家の本質的な何かが見えるはず・・・!と、楽しみに出かけました。
チケットは予めネットで買っており、周りに人のいない前方の席を押さえていたのですが、この映画はゴッホの目線のような手ぶれのカメラワークが多く、乗り物や映像酔いをする私には過酷なものが・・・。空席は結構あるし、後ろの方の席に移ろうかな、でも今、席を立ったら目立つし・・・とガマンしていたのですが、40分ほど経ったところで限界となり(笑)、勇気を出して移動。後ろに行くと、こんなにラクだったのか!もっと早く移っておけばよかった・・・と後悔し、やっとのことで安心して観ることが出来ました。
ゴッホは存命中、ほとんど作品が評価されず、精神の病と闘い、孤独に満ちた生涯を送りましたが、神様から授かった才能を自分で理解しており、自分にしか見えていないものを人々と分かち合いたい、との熱い思いを持っていたのですね。周りの人は、作品に見向きもしない中で、ゴッホの偉大さを信じ、物心両面において支援し続けた弟テオの存在は感動的で、テオのような人が居てくれて本当に良かったと思いました。
また、作品には、人々が普段見失っている「生きる上での真実」が表されており、それは、永遠に人々から必要とされる、ということが、ゴッホには分かっていたのですね。そして、何よりも、描かずにはいられない、描けないと死んでしまう!というほどの強いエネルギーがあり、そういうものに突き動かされて作品は生まれているのだ、ということもよく分かりました。
ゴッホの生涯も、普段私が弾いているクラシックの作曲家の多くと同様に、苦悩に満ちたものでしたが、その中にあっても、自分の才能を信じ、高い理想と信念を持ち続け、素晴らしい作品の数々を残してくれたことには、感謝の気持ちしかありません。
この映画は、俳優、映像、音楽など全てが素敵で、見終わった後は何ともいえない余韻が広がります。とてもオススメの映画なのですが、酔いやすい方は、くれぐれも後ろの方に座るのをお忘れなく♪(笑)